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ホワイトペーパーを活用して商談を生み出すには

2025/06/23

コンテンツマーケティングに注力するBtoB企業が増えており、ホワイトペーパーの活用を行っている企業も増えてきております。

ただ、ホワイトペーパーを活用する企業様からよくお聞きするお悩みは「ホワイトペーパーからの商談が増えない」です。過去に何社ものナーチャリングのご支援をしておりますが、上記のお悩みが大半を占めます。

たしかに、おっしゃる通りホワイトペーパーからの商談率は元々低いです。ただ、ホワイトペーパーは直接的な商談率の増加ではありませんが、間接的に大きく貢献するコンテンツなのです。

ホワイトペーパーの役割や期待値を正しく理解し、自社のフェーズに合わせて戦略的に活用していくことが重要なのです。本記事では、弊社の実体験からホワイトペーパーを活用して商談数を増加させる方法について解説していきます。

大前提:ホワイトペーパーからの商談率は低い

基本的にホワイトペーパーからの商談率は低いと言われております。一般的に、ホワイトペーパー経由で新規リードを獲得した際の商談率は数%と言われております。そのため、商談率が低くても当たり前といえるのです。

ホワイトペーパーの商談率が低い理由としては、ダウンロードするユーザーが情報収集段階の可能性が高いことが挙げられます。

現代のBtoB購買者は、購買プロセスにおいて、営業担当者と57%の購買行動を終えていると言われております。

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株式会社wibさんによると、直近では67%となっており、20代に関しては85.4%と多くの方が営業パーソンと接触する前に、意思決定の基となる情報収集を行っているのです。

引用:株式会社wib(【独自調査レポート】BtoBの購買プロセスにおいて、84%の決裁者が営業担当との接触前に購買を決定づける情報にリーチ)

そういった背景から情報収集をしている顧客が多く、「いきなり営業されたくない」という顧客が多いということがわかるでしょう。

まさに、ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーの期待や目的は、上記のような情報収集であるので商談をしたいという顧客が少ないことが納得できますよね。

そこで皆さんこう思うのではないでしょうか。

  • 「ホワイトペーパーに投資しても意味ないじゃん、、、」

  • 「ホワイトペーパーを作成するのはやめておこうかな、、、」

「ホワイトペーパーからの商談率はそもそも低いんです!」とお伝えしたら、上記のように考えるのは自然といえますね。

ただ、私の経験談からするとホワイトペーパーは活用次第で商談数の増加に役立つことは間違いないと確信しております。大切なのは、使い方なのです。

そもそもホワイトペーパーの役割とは

先ほど紹介したように、一般的に、ホワイトペーパー経由で新規リードを獲得した際の商談率は数%となり、商談数は低いと言えます。ただ、使い方が大切になるのです。

まずは、使い方を紹介する前に、ホワイトペーパーの役割を役割を整理していきましょう。

課題認識やニーズの創出

ホワイトペーパーには、「潜在顧客に対して課題認識を促し新たなニーズを創出する」といった役割があります。

先ほど紹介したように、情報収集段階のユーザーが大半を占めます。また、情報収集を自分で行い営業パーソンに出会う前に意思決定に関わる情報収集までを行っているのです。

そのため、今すぐサービス導入を検討するわけではないユーザー(潜在層)に対しても、接点をもっておく必要があります。

潜在層にアプローチをする際に重要なのが「課題の認識や気づき」「新たなニーズの創出」になります。BtoB企業の場合予算やステークホルダーの影響を受けやすいと言った特徴がありますが、サービスを導入しない理由はそれだけではありません。

現状の問題や悩みに対して「課題に気づけていない」ことや「課題だとは思っているが、緊急度と重要度が低く優先順位が低い」ことが挙げられます。そのため、潜在顧客の段階かつ自社起点で「新たな課題」や「発見」を認識してもらうことが重要となるのです。

イメージがつきやすいように弊社Owl DataのAPPOLINKというサービスを例に挙げてみましょう。APPOLINKは資料上のWeb接客ツールであり、ナーチャリングやリードクオリフィケーションに効果的なサービスです。

そのため、弊社としては「ナーチャリング」や「リードクオリフィケーション」に注力する企業が増えてくれることはサービスとして非常にありがたいですよね。

ただ、BtoBマーケティングでは「リード獲得」に注力する企業が多く、予算もリード獲得施策に寄っているんです。そのため、ナーチャリングやリードクオリフィケーションが後回しになってしまう企業は少なくありません。

そこで、弊社ではハウスリストを一定担保できている企業に対して「ナーチャリング」や「リードクオリフィケーション」の重要性やナレッジを情報発信しております。

たとえば、下記のような感じです。

  • リード数が増えても商談数が増えていかない原因と解決法

  • ハウスリストが5000以上超えてきたら実施したい次の一手

直接的に「ナーチャリングやりましょう!」というより、課題を認識しやすかったり、新たな気づきを得やすい内容になっていますよね。

上記のようなホワイトペーパーを通じて、顧客が自社の課題を正しく理解したり、新たに気づきを得てもらい重要度や緊急度に影響を与えることができれば、間接的に商談に対して効果があると言えます。

自社サービスの認知や理解

ホワイトペーパーの役割2つ目として、「自社サービスの認知や理解」をしてもらうことが挙げられます。

BtoB企業では、経営方針や組織体制などさまざまな影響を受けるので、重要度や緊急度が高まってもすぐにサービスの導入まで進むのかはわからないですし、コントロールすることは不可能に近いです。

そのため、商談数を増加させるにはいざサービスを検討する際に自社サービスを選んでもらうことが重要になります。つまり、第一想起を獲得することが重要になるのです。

株式会社WACULさんのデータによると、「BtoBでも第一想起した商品を導入する確率は55.3%」「もともと認知していた商品に問い合わせる確率は48.0%」となり、想起されることがいかに商談や受注に影響を与えるかがわかりますよね。

たとえば、弊社Owl Dataであれば「ナーチャリングを実施しよう」と思う企業が増えても、「Owl Dataはナーチャリングが得意な会社だ」という想起が取れていないといけないわけです。

想起を獲得するためにも、ホワイトペーパーで専門的かつサービスにも繋がる発信を行い、「自社を正しく理解」してもらうことが重要になります。

今ホットな顧客の発見

ホワイトペーパーの役割3つ目として、「今ホットな顧客の発見」が挙げられます。つまり、リードクオリフィケーションです。

商談数を増加させていくには、商談しやすい顧客である「ホットリード(MQL)」の創出が重要になりますし、ホットリードにインサイドセールスがアプローチすることで商談数を増加させることができます。

ただ、ハウスリストの顧客が何もアクションを起こさなければ現状の検討状況がわからないですよね。そこで、ホワイトペーパーを活用するのです。どのホワイトペーパーをダウンロードしたのかによって、顧客の検討度や興味度の仮説を一定たてることができます。

例を挙げてみましょう。

ホワイトペーパーを活用して商談数を増加させるには

一般的にホワイトペーパーからの商談率は低いとされていますが、活用方法次第で、商談数を増加させることは可能です。

ホワイトペーパーを活用して商談数を増加させるためには、何をやるべきか具体的な施策を紹介していきます。

現状分析と整理や戦略設計

ホワイトペーパーから商談数を増加させるためには、もちろんテーマや内容も重要ですが一番重要なことは「戦略設計」です。同じ本数を作成しても戦略によって大きく成果が変わってしまいます。

大まかに説明すると「誰に」「何を」伝えるのかを設計するのです。
まずは、「誰に」の部分について説明していきましょう。

「誰に」の解像度を上げていくためには、下記の情報を整理してみてください。

  • 受注しやすい顧客の属性(業界/役職/部署/企業規模など)

  • 商談時に顧客が感じていた悩み

  • 顧客が言語化している顕在的な課題

  • 顧客が言語化できていない潜在的な課題

  • 顧客が他に検討していたサービスや企業

また、上記の解像度を向上させるための打ち手は下記の4つになります。

  • 受注失注分析

  • 見込み顧客へのデプスインタビュー

  • 営業パーソンへのデプスインタビュー

  • 既存顧客へのデプスインタビュー

上記を活用して「誰の」「どのような課題」に対してアプローチをするのかを明確にしていきましょう。

また、顧客を明確にしたらカスタマージャーニーを設計しておくことで、顧客がどのタイミングでどのような情報を欲しているのか可視化することができます。

次に、「何を」について説明していきましょう。

「何を」の解像度を上げていくためには、自社と競合他社を正しく理解する必要があります。そのため、3C分析やSWOT分析、STP分析といった基本的なマーケティング分析を実施していきます。

その中でも、とくに重要なことは「バリュープロポジション(POD)」の設計です。バリュープロポジション(POD)を設計することで、ターゲット顧客がより自社の価値を感じやすいポイントを言語化することができます。

バリュープロポジション(POD)を軸として、自社のホワイトペーパーではどのような軸で発信をするべきなのかを言語化して可視化しておきましょう。

テーマ設計と階段設計

戦略を設計したら、具体的にどのようなテーマでホワイトペーパーを作成するのかを設計していきましょう。ホワイトペーパーのテーマを設計する際の大原則は、「顧客起点」です。

戦略で設計した「ターゲット」と「カスタマージャーニー」からホワイトペーパーのテーマを設計していきましょう。

イメージとしては下記のような感じです。

画像

また、テーマを洗い出したら他コンテンツでテストマーケティングをしてみることもおすすめです。というのも、ホワイトペーパーの作成は工数がかかりますし、外注している場合1本で30万円以上かかります。

そのため、どのテーマから作成するべきか、本当に設計したテーマが顧客に刺さるのかをテストしておくと無駄なコンテンツを作成する必要がなくなります。

テストの方法としては、下記の2つがあげられます。

  • 自社ウェビナーでテストし、参加率やホットリード率、商談率を見てから作成

  • 記事×メルマガでクリック数や記事中の滞在時間などの反応を見てから作成

また、ホワイトペーパー以外のコンテンツも同じくファネルごとに整理しておくと、その後のアプローチや導線設計をスムーズに行うことができます。

そのため、ホワイトペーパーのテーマだけではなく、自社が保有しているコンテンツアセット全体をファネルごとに整理していきましょう。

アプローチ戦略の設計

ホワイトペーパーのダウンロードから商談数を増加させるには、インサイドセールスからのアプローチが重要になります。いくらホワイトペーパーの戦略が優れていてもアプローチを怠ってしまえば商談数を増加させることは難しいのです。

そのため、ホワイトペーパーをダウンロードしてもらったユーザーへのアプローチ戦略やスキームを構築していく必要があります。

アプローチ戦略を決める際には、インサイドセールスやフィールドセールスの工数や体制を加味して「量」と「質」のバランスを見て決定する必要があります。

インサイドセールスとフィールドセールスの工数が潤沢にある場合は、複雑なホットリードの定義をせずに、準顕在層~顕在層までのコンテンツに触れた方に対してアプローチしていくといったシンプルなものでも問題ないでしょう。

上記であれば、インサイドセールスへのトスアップ数も増やしやすいですし、フィールドセールスもフォローアップの質を落とすことなく、商談数を最大化することができます。

一方で、インサイドセールスとフィールドセールスの工数が潤沢ではない場合、もう少しアプローチの顧客を絞る必要があります。いかに受注や検討まで進む商談となりやすい顧客まで絞るのです。

インサイドセールスがフォローアップしきれなかったり、フィールドセールスが捌ききれずに商談の質が落ちると、商談数は増えたけど受注数は変わらないなんてことになりかねません。

そのため、自社の体制に合わせてアプローチするべき顧客の条件を決定することが重要になります。また、コンテンツのファネルやコンテンツの種別によって顧客の悩みやフェーズが異なります。

たとえば、「ナーチャリングコンテンツの作成体制とスキーム構築」というホワイトペーパーをダウンロードした方に、いきなり「APPOLINKのサービス紹介をさせてください!」といってもまだAPPOLINKに興味がない可能性があり商談化しない可能性が高いでしょう。

一方で、「ナーチャリングの無料壁打ち」や「相談会」、「サービス資料送付の許可」などハードルの低いアプローチを1つ用意しておくことで、顧客の検討度にマッチしたアプローチができるのです。

そのため、階段設計に合わせてアプローチ方法を設計しておくことが重要になります。

閲覧状況の可視化

実はホワイトペーパーをダウンロードしても、すぐに読んでいるユーザーばかりではありません。

弊社では「資料上で稼働するWeb接客ツールAPPOLINK」を提供しており、資料の閲覧状況をトラッキングしているのですが、一定数資料をダウンロードしてからすぐにじっくり読まないユーザーは一定数います。

そのため、資料ダウンロードされてすぐにアプローチしても「まだ資料見てないので」と言われてしまうこともあるのです。

また、資料をあとで見返すユーザーもいます。「APPOLINK」で資料の閲覧状況をトラッキングしていると、何度も見てくれているユーザーは一定数おり、総じてアポイント率が高いです。

さらに、何度も閲覧されている場合社内で資料を回覧されている可能性も高く、担当者だけではなく事業部全体の課題となっている可能性もあるのです。

そのため、資料がダウンロードされたあとにアプローチしてコネクトしなかったとしても放置するのではなく、閲覧状況をトラッキングすることで掘り起こしをすることができるようになり、商談における機会損失を減らすことができます。

「資料上のWeb接客ツール」APPOLINKのサービス資料をダウンロードする
「APPOLINK」のサービスページを見る

顧客に資料送るなら「APPOLINK(アポリンク)」APPOLINK(アポリンク)は顧客の検討状況を明らかにし、最適な「人」「タイミング」「訴求内容」でアプローチすることで商appolink.jp

商談数増加の観点から見る「ホワイトペーパーの活用におけるNG例」

最後に商談増加の観点から、ホワイトペーパーの活用におけるNG例を3つ紹介していきます。これからホワイトペーパー活用に注力する方は、ぜひ下記の3つに注意して運用をしていきましょう。

潜在層向けのコンテンツのみ作成

最終的に商談数を増加させるのであれば、潜在層向けのコンテンツのみでは商談数を増加させにくくなってしまいます。

新規リード数の担保のみを考えた場合、多くのターゲットに刺さりやすい潜在層向けの方が好ましいでしょう。

ただ、商談からは遠いファネルに向けたコンテンツなので、ハウスリストにリードクオリフィケーション向けで配信をしてもホットリードの発見をすることも難しくなります。

そのため、現在一定のハウスリストを保有しているか、かつ商談数の増加を目的とするのであれば、ダウンロード率は高くなくても準顕在層や顕在層向けのホワイトペーパーから作成することが望ましいでしょう。

コンテンツの内容が薄すぎる

ホワイトペーパー作成のハードルを下げるために、ページ数を少なくしたり、内容を簡潔にしすぎたりすることも、商談化率を下げる要因となります。

内容が薄いホワイトペーパーは、ユーザーに「期待していたほど価値がない」という印象を与え、企業への信頼度を低下させてしまいます。

また、表面的な情報しか提供されていない場合、ユーザーは「この企業は専門性が低い」と判断し、その後のアプローチに対しても消極的になります。

そのため、ユーザーの期待に応えるためにも、20~30枚ほどのボリューム感は担保しておくと良いでしょう。ただし、ページ数だけを増やせばいいというわけではありません。

現代では、AIによって一定の情報は網羅的に、かつ簡単に情報を収集することができるようになりました。そういった背景からユーザーの期待値も自然と向上しており、AIに質問すればもらえそうな情報だけではユーザーの期待値を満たすことができません。

そのため、自社のアセットをフル活用して、自社だから出せる情報、つまり独自性の高い情報を心掛けてホワイトペーパーを作成していきましょう。

CVから時間をおいてアプローチをする

顧客とコンタクトが取れるかどうかは「アプローチまでのスピード」が大きな鍵を握ります。顧客の熱は一気に上がり、一気に冷めてしまうので足が早いのです。

数字にも表れており、コンバージョンから90秒以内にアプローチした際と、3分以降にアプローチした際では約3倍近くコンタクト率に差があるのです。

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引用:エンSX|SDR初級者でも成果が出せる最もシンプルな方法


そのため、コンバージョンした顧客には時間をおかずいかに早くアプローチすることを心がけていきましょう。

また、すぐにアプローチするためにも通知周りは整備しておく必要があります。

たとえば、弊社ではMAツールは「Hubspot」とチャットツールは「Slack」を利用しているので、HubspotとSlackを連携させて、資料ダウンロードされたらリアルタイムで通知が来る仕組みを構築しております。

通知環境を作ることは比較的簡単なので、必ずリアルタイムでコンバージョン状況がわかるような体制を作っておきましょう。

まとめ

ホワイトペーパーから商談数を増加させるためには、単にコンテンツを作成してダウンロードを促すだけでは不十分です。

まず、ホワイトペーパーからの直接的な商談率は1〜3%程度と低いことを理解し、現実的な期待値を設定することが重要です。その上で、課題認識の促進、自社サービスの理解促進、ホットリードの発見という本来の役割を果たすコンテンツを企画・制作する必要があります。

成功のカギは、現状の詳細な分析から始まり、ユーザーの検討段階に応じた階段設計によるコンテンツ戦略、そして迅速かつ適切なアプローチ戦略の実行にあります。

特に、潜在層向けコンテンツに偏らず、検討段階や比較・選定段階のユーザー向けコンテンツも充実させること、十分な価値を提供できる質の高いコンテンツを作成すること、ダウンロード90秒以内の迅速なアプローチを徹底することが重要です。

ホワイトペーパー活用は、短期的な成果を求めるのではなく、中長期的な関係構築を通じて商談数の継続的な増加を目指す戦略的な取り組みです。今回ご紹介したポイントを参考に、自社の現状を見直し、改善を図ってみてください。

また、弊社ではWeb接客ツールAPPOLINKを提供や格安のホワイトペーパー制作などをはじめとしたナーチャリング支援を行っております。もし、ナーチャリングにお困りの企業様はぜひお気軽にご相談ください。
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